iPadを使って音楽授業「GarageBandでドラムを創作しよう」②授業編 小中学校向け音楽授業ネタ(コロナ禍でもできる)

 

前回の記事

iPadを使って音楽授業「ドラムを創作しよう」①準備編 小中学校向け音楽授業ネタ(コロナ禍でもできる)

に続く、今回は

授業「iPadでドラムを創作しよう」②「授業編」としてお読みください!

 

↑「校歌のメロディーにドラムパートをつける」という授業。出来上がりはこんな感じに。

キビキビ先生
メロディとドラムだけだけど結構聴ける曲になるね!

 

今回の記事では、

今回の記事内容
  • GarageBandで創作する前に生徒に教えておくべき事
  • 実際の授業の流れのモデルプラン

について解説します!

 

コギト先生
大学では作曲を学んでいたし、昔はバンドで打ち込みもしていましたのでこういう授業は得意です!実際にやってみてわかったことは以下です!まだ授業やっているところなので、随時更新しますね。

 

ポイント
  • GarageBandの基本的な操作方法とタイムラインの見方を学習しておくこと
  • ドラムパートの基本知識(8ビート・フィルインなど)を学習しておくこと
  • iPadを使った授業にはトラブルがつきもの!予防線をはっておく
  • 準備や片付けには一定の時間を取って、授業後に先生がやることを増やさない

 

これらを実際の授業計画を紹介しながら、見ていきたいと思います!

 

 

授業のすすめかたモデルプラン

コギト先生
自分はこんな計画で授業をすすめています!

 

単元の流れ

1時間目:iPadでGarageBandを触ってみる(生徒も教員もお試し)

2時間目:ドラムパートを作るための予備知識

3時間目:初めての創作(準備と片付けのルールを確認しておく)

4時間目〜:ひたすら創作の時間(生徒の「こうしたい」のサポートに徹する)

まとめ:成果物を披露・課題提出

 

1時間目:iPadでGarageBandを触ってみる(生徒も教員もお試し)

1時間目は創作の単元の導入になりますが、

導入なんて、iPadがあれば怖いものなし

コギト先生
今日からiPadやるよー。
みんな
わーい!

つかみはOKです(笑)。

 

この単元の最終ゴール「校歌にドラムパートを創作する」ということを伝えたあと、

もしデモ音源(「先生が簡単につくってみたらこうなったよ」というもの)があれば聴かせます。

キビキビ先生
教材研究がてら作るわ!

 

校歌のメロディだけ打ち込んだものを聴くとなんだか普通ですが、

ドラムが入ると急に生き生きした音楽になるので、

「自分もドラムパート作ってみたい」とモチベーションもアップしますよ。

 

でも、

この時間のメインはとにかく「基本的なGarageBandの操作を覚える」こと。

ここをおろそかにすると、

実際に作業開始した後に、あちこちからの質問責めを喰らってしまい、必要な指導ができなくなってしまいます

コギト先生
操作の基本はしっかり押さえておきましょう!

 

以下の点をこの時間で確認しました。

初回で覚えておくこと

①楽器の選び方と演奏の仕方

②録音の仕方、再生、小節のカーソルの動かし方

③タイムライン(編集画面)の開き方と編集のしかた

④打ち込みの仕方

⑤データ保管の方法

 

コギト先生
画面で該当の部分を図示します。↓

①は楽器を選ぶボタンなので、これを押すと楽器を選ぶ画面にいけます。

創作が始まってしまえばあまり使わないボタンですね。

②は実際に弾いて録音する場合のボタンとカーソルになります。

ドラム創作では基本的に④の打ち込みを使うのが便利で、私のクラスでは打ち込みで創作させていますが、GarageBandの使いかた、ということで知っておくべきかと思います。

③のボタンを押すと、タイムラインの画面に飛びます。↓(何も録音されていない場合、③のボタンは出なかったりします。)

 

↓がタイムラインの画面。

録音や打ち込みがされている部分が緑になっていますが、この部分をコピーしたり、消したり、編集したりできます。

 

また、録音がされていない部分(緑でない部分)をタップして「編集」を選ぶと、打ち込みを開始することもできます↓

↑が打ち込み&編集の画面。

左上の鉛筆マークを赤くすれば編集することができ、

緑の部分が打ち込んである音です。空白をタップすることで、音が打ち込まれていき、

もう一度タップすると消えます。長さを変えたり、音の出るタイミングをずらしたりもできます。

 

↑左上のMY SONG(または「白い紙」のアイコン)をタップすると上の画面になり、編集する曲を選んだり、ファイルを共有(送信したりできます)

授業の最後に先生にデータを送信する場合などは、ここから「共有」をタップして、AirDropで送信させます。

 

新米教員
結構教えることあるわね…。
コギト先生
徐々に覚えていければいいし、iPad触ってるので生徒も飽きなかったですよ!

 

 

2時間目:ドラムパートを作るための予備知識を教える

GarageBandの基本的な操作方法を覚えたところで、

さあ創作作業といきたいところですが、まだ生徒のレディネス(準備性)は十分ではありません。

 

男子
ていうか、ドラムってどうやってたたくの?8ビートって何?

という生徒も少なくないはずです。

 

この授業で実際にドラムを叩くことはなくても

  • ドラムセットの中の楽器の種類と名前(ハイハット、バスドラム、スネアドラム、タムタムなど)
  • 8ビートとは?何の楽器をどのタイミングでたたく?
  • フィルインとは?どんなパターンがある?

くらいは知っておかないと、創作が迷走してしまいます。

コギト先生
よく思うんだけど、創作はまず型をしっかり学んでからじゃないと難しいです。ただただ「自由に!」だと絶対うまくいきません。

 

というわけで、ドラムについての基礎知識も必要となりますが、

「楽器の知識を得る」という意味では立派な学習なので、楽しんで学習できれば良いです。

以下、私の教えた内容を参考にしてみてください。

 

8ビートの基本

↓この動画が結構わかりやすかったので見せれば大体わかります。

 

↑まずはこの8ビートの基本系を理解して、ボディーパーカッションなどで生徒と練習してみましょう。

 

クィーンのWe will Rock youはバスドラムとスネアの関係がわかりやすいですね。

 

 

そしてこの基本形を

GarageBandで打ち込むと、

こんな感じで楽譜と表を合わせたような表示になります。

わかりやすい表示ですよね。

 

表の縦列が楽器の種類

表の横列が時間の流れになります。

 

この基本形

  • ハイハットは8分で刻む
  • バスドラムは1と5のタイミングで基本入れる
  • スネアドラムは3と7のタイミングで基本入れる

 

を覚えておけばあとは、

  • ハイハットを裏打ち(1、3、5、7を入れない)にしたり
  • バスドラムを足したり(6とか8に入れたりする)
  • スネアドラムを無くしてみたり、前打音を入れてみたり
  • 1や5のあたりで他のシンバルを使ったり

 

こういう工夫を加えて、生徒が自分なりの8ビートのパターンを作れるようになると思います。

 

コギト先生
こういう説明をする時は、GarageBandをテレビに映し出して実際に打ち込むところを見せると、わかりやすくなります!

↓iPadの画面をテレビに映し出すには、このアダプタとHDMIケーブルがあれば簡単です(Appleの純正品を使用することをおすすめします)

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フィルイン

基本形を理解できたら、

次はフィルインについても説明しておきましょう。

キビキビ先生
「オカズ」とも呼ぶやつね!

 

サビが始まる前にドラムが基本パターンから離れてドコドコと盛り上げるあの部分が「フィルイン」。

実際にフィルインをドラムで叩かせるのは難しく、音楽が崩壊しがちですが、

打ち込みは全くそういう心配がないのが良いところ。

 

↑現実の演奏では無理なレベルで音をテキトーに詰め込みまくって打ち込んでみましたが、それでも全然聴ける。

 

打ち込みは演奏するタイミングがある程度固定されているので、どれだけ適当に打ち込んでもタイミングがハマった打ち込みになります。

これがGarageBandの打ち込みでドラムパートを創作する最大の利点です。

新米教員
めちゃくちゃやっても何となくカタチになっちゃうとは…。音楽苦手な子にもハードルが下がって良い!ほっとした〜。

 

その他、ドラム創作の参考になりそうなものに、こんなおもしろ動画もありました。

ゆるキャラがドラムを叩くというこの動画。

最初はゆるキャラらしくかわいい8ビートから始まるのですが、だんだんとすごいことに…。

同じ音楽でもドラムで曲の印象が変わることがわかると思います。

キビキビ先生
ドラムって曲への影響力大なのね。創作のしがいもある!

 

 

3時間目:初めての創作(準備と片付けのルールを確認しておく)

3時間目は、ついに創作を初めてみましょう

 

初回は、かなりの確率でiPadの使用上でトラブルがあります。

私も

  • iPadのバージョンが古くて曲が開けない
  • AirDropの送受信ができない

など、いろいろアタフタとしてまいました…。

 

  • 必要台数より少し多めのiPadを準備しておく
  • 授業で扱う操作一通りのことが生徒用のiPadでできるのか試しておく

このくらいの対策はしておくと良いと思います。

 

 

創作のデータを生徒へ配布

まずは教員の方でつくっておいた、校歌のメロディだけ入ったプロジェクトファイルを生徒全員に送信します(AirDrop)。

 

方法は以下です。

 

○曲のデータのアイコンを長押しして「共有」をタップ。

「共有」は↓のようなマークで表示されている場合もあります(iPadのバージョンによって表示が違います)

 

○「曲の送信」と出たら(出ない場合もあります)「プロジェクト」をタップ。

 

○送信できる相手が表示されるので、相手のアイコンをタップすると、送信できます。

 

データを受け入れる側では、「受け入れる」かどうか表示がでるので、

「受け入れる」をタップして、続いて「GarageBandで開く」ことを選択します。

 

これで、創作の準備は完了です。

(逆に生徒の創作したデータを提出させたいときは、生徒がこの操作をして教員のiPadに送信します)

 

ドラムパートを作ってみる

この後は実際にドラムパートを打ち込んでみます。

 

まずは、ハイハットシンバルを1小節に8つ打ち込んでみる(刻み)、とか、

バスドラムを1拍目と3拍目に入れてみる、など、

全体で同じものを作ってみると、ちゃんと生徒が操作ができているかわかります

 

生徒がしっかり操作できていれば、

8ビートの基本形を自分で1小節作ってみて、見せに来る。

その辺りから創作をスタートしてみると良いと思います。

 

初回は時間に余裕をもって終わる

最初の時間は準備と片付けが肝心です。

先生も生徒もiPadの扱いに慣れていないので、バタバタになります。

初回はそれで良いのですが、次回からの授業がスムーズにできるように、

この授業では生徒に「準備片付け」のルールを教え込んでおきましょう。

新米教員
授業終わるのが遅くなったり、自分が生徒のiPadの後始末とかするの嫌だもんね…

 

コギト先生
生徒個人のiPadが配られているところは特に問題ありませんが、毎回使うiPadが違う場合は結構大変です(私の学校もこのタイプ)

 

次の授業で同じiPadを同じ生徒に使わせてあげることができない場合、授業終わりに編集したデータをどこかに保存しておく必要があります。

  • 生徒が使える共有サーバーに保存させる
  • AirDropで先生のiPadに送信させて、保管させておく

 

私はAirDropで送信させる方法を取っています。

創作したそれぞれのデータの名前を「生徒名」に変えておくことを忘れずに!

 

4時間目〜:ひたすら創作の時間(生徒の「こうしたい」のサポートに徹する)

コギト先生
流れに乗ったら後は飛んでくる質問の球を次々打ち返すだけ。

授業が軌道に乗り、生徒が自分で打ち込みを始めたら、

あとは

男子
えー、タターンタってリズムはどうやってうちこむの?
男子
これどうやって元に戻すんですかー!?

という生徒の質問アンド発言に次々に対応していくだけ。

 

わからない事があったらすぐに聞くのではなくてまずは自分でいろいろ試してみる、とか、チーム組んで教え合うっていう風に指示しておくのも良いやり方ですね。

 

そして、大事なこととして、

創作の時間はなるべく多くとってあげたいです。

コギト先生
私も作曲の専攻だったのでわかりますが、創作は試行錯誤の連続なので、生徒にいろいろ試させてみるというのが過程として大事です。

 

創作のスムーズな進め方としては、

  1. まずは基本の8ビート、16ビートなどを1小節作って教員に見せる
  2. OKもらったら基本の1小節をコピーして曲全体にペーストする
  3. 基本形を変化させたい部分があったら(中間部やイントロ、後奏など)変える
  4. 小節頭の音にシンバルをつけたり、フィルインをつける部分を考えたりして装飾
  5. 完成したら教員に見せる

↑以上のような簡単な流れを示してあげると、

 

男子

イントロできなくて悩んでたら今日で提出かよー…!

みたいな生徒が少なくなるので安心です。

 

創作の条件として「フィルインは必ず2箇所は入れる事」などを提示するのも良いと思います。

 

 

単元のまとめ:創作を聴き合う・課題提出

コギト先生
創作が終わったら、グループやクラスでできたものを聴き合います。

他の人がどんなものを作ったか、生徒は興味津々です。

 

自分も同じ条件で創作をしているので、自分が作ったものと比べる事ができることは、

「聴き合う」という鑑賞活動の質を高めてくれるはずです。

コギト先生
この時間も結構大事な授業のプロセス。じっくり聴きあいしたいですね。

 

自分の作ったものを他の人にむけて発表するのはとてもドキドキしますよね。

昔、私が作曲を学んでいた時の先生が、

作曲の先生
自分が創作したものを人に聴かせるのって、自分の日記見せてるみたいな感覚がある。

と言っていたことを思い出します。

 

そういう体験をする、という事だけでも、とても良い経験になりますね。

 

 

まとめ iPadを使って創作の授業を豊かに!

 

iPadを使った音楽の授業に興味をもっていただけましたでしょうか。

 

音楽の先生といえども、作曲や編曲をしたことのある先生はわずかだと思います。

創作の授業に気後れしてしまいそうですが、

iPad(GarageBand)の使い方を覚えて活用すれば、

逆に生徒の方が先生より使い方に詳しくなるくらいに創作にのめりこんでくれますよ。

普段実技(歌や演奏)が苦手な生徒もこういう活動では急に輝きだしたりするので、おもしろいです。

コギト先生
是非授業でやってみてくださいね!

 

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今回は以上です!

 

 

 

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ABOUT US

コギト@音楽教師歴15年・ピアノ歴20年以上。30代で アマチュアコンクールで全国入賞、国立大学の附属学校で死ぬほど研究&教育実習を担当。作曲編曲も得意で伴奏アレンジや合唱、合奏編曲もやります! 音楽の授業をクリエイティブに。アレクサンダーテクニーク(AT)指導者資格あり。音楽指導のネタやコツを発信。