音楽の教員採用試験に合格しました!
嬉しいけど、不安もたくさん。今のうちにできることがあったら教えて。
音楽の教員採用試験に合格されたみなさま、おめでとうございます!4月からの新しい教員生活に向け、期待と不安があるのではないでしょうか。
4月から音楽の授業を受け持つことになると思いますが、私は初任校に配属になるまでほとんど何の準備もしていなかったので、最初の1年は結構苦労しました。
教員生活が始まると日々の仕事に追い回されますし、教員1年目には初任者研修もあるため、とても忙しいです。
残念ながら自分の授業をじっくり考える時間は取りにくいです…
もし、教員になる前の今の時期に時間の余裕があるならコツコツと準備しておくことをおすすめします。
教員生活15年以上の私が今振り返って、採用前に「こんなことやっとけば1年目ちょっとは楽だったなあ」と思うことを紹介します。
コギト | 音楽教材研究家
- 音楽教員歴18年の元音楽教員。辞めても教材研究が好きで続ける
- 元作曲専攻で鑑賞や創作の授業が得意、ICT・時短マニア
- ピアノはコンクール全国大会入賞レベルでピアノ動画チャンネル(YouTube)も運営
- ICTを駆使・時短マニアnoteで自作教材をアップ、3000ダウンロードを突破!
- 音楽教員のためのオンラインサークル「ムジクラブ」運営中
音楽教員が採用試験後4月までに準備しておく5つのこと
準備しておきたいのはこれです!
もし今あなたが学生やフリーターで時間的な余裕があるのなら、下のようなことに取り組んでおくのがベストです。
- 採用校の音楽の授業の情報を集める
- 鉄板曲の弾き歌いの練習をする
- ワークショップ等で指導楽器にふれる
- 常時活動を準備
- 授業で使いたい道具を準備
一つずつみていきましょう!
音楽教員の準備1:採用校の音楽の授業の情報を集める
学校訪問で質問をしよう
自分が採用される学校が決まるのは2月〜3月くらい。勤務校が決まると3月に勤務校を訪問することになると思います。
その時に以下の情報をゲットしておくと準備がはかどりますよ!
- 校歌の楽譜をもらう
- 鉄板曲(卒業式の歌とか)があるか聞いておく
- 来年度採用の教科書が何か聞いておく
- 合唱の歌本などは何を使っているか
- 和楽器などは何をしているのか
勤務した学校で実際にどんな授業や仕事をするのかは、行ってみないとわからないことがほとんどです。
ただ、音楽の先生は校歌は絶対に指導しますし、その学校の文化で卒業式で必ず演奏する曲などがあったりもします。
また次の年度に使う教科書がわかっていればその教科書を見て指導を考えておくこともできますし、合唱曲の歌本があれば、それを購入しておいて指導したい曲を探して練習しておくこともできます。
使う教科書は学校や学年ごとで違い、年度で変更されることもあるので次年度はどれを使うのか聞いておくのがポイントです。
また中学校は和楽器が必修なので、勤務校でどんな和楽器に取り組んでいるのか知っておくと下調べができます。
これらのことを学校訪問で質問しましょう。
でも学校訪問で音楽の先生と話しができるかわからないよね…
学校訪問は校長先生と面接したり、管理職に校内をざっと案内されたりするだけで終わることもあります。
学校訪問で情報が得られそうにない場合は管理職に以下のように聞いてみましょう。
「来年度の準備もできることはしておきたいので、音楽の先生に連絡をとってもよろしいでしょうか?」
後日電話やメールなどで無礼のないように質問をすれば答えてくれるかと思います(答えてくれないかもしれませんが)。
現場の先生は忙しいので、相手の時間を奪わないような配慮はしましょう(長電話や長文メール、ラリーを続けることは控える)
教科書センターで教科書を見ておこう!
4月になるまで教科書って見れないよね…
図書館とかで見れますよ。
高校の教科書は何種類もあるのですが、小中の音楽の教科書は2種類だけです。
- 教育芸術社の「小学生(中学生)の音楽」
- 教育出版の「音楽のおくりもの」
4年ごとに改訂がされますが、内容が激変することは少ないです。
各市町村の自治体では「教科書センター」を図書館や教育センター内に設置し、来年度使用予定の教科書を市民に公開するようになっています。
私の自治体では6月の2週間程度、教科書公開をやっていて、図書館に教科書が並びます。
その後簡単に見ることはできなくなりますが、市や県の中央図書館などでは教科書公開が終わっても請求することで閲覧可能です。
どこで見れるか教育委員会に問い合わせしてみてから行くと良いと思います。
来年度教科書改訂がある場合、最新の教科書はこの方法で先んじて見ることができますが、現在使われている教科書はAmazonでも買うことができます。
音楽教員の準備2:鉄板曲の弾き歌いの練習をする
音楽教員は校歌や君が代は必ず指導しますし、音楽会や卒業式などの行事で必ず演奏する曲などもあります。
絶対にやるだろう曲を練習しておくといいよね。
なんなら4月の入学式や始業式ですぐに校歌や君が代を弾かなきゃいけない場合もあるかも…。
先述した学校訪問などで校歌の楽譜をゲットして練習しておくと良いと思います。
君が代は音楽の指導書に載っているものの、現職ではない先生は楽譜がありませんよね。
私が採譜して作り直した君が代の楽譜をダウンロードできますので練習してみてください。指導書と同じ編曲です。
教科書や歌本などがゲットできたら、教科書が掲載されている曲の弾き歌いも練習しておくと良いですね。
音楽教員の準備3:器楽で扱う楽器の練習をしておく
得意な楽器じゃなくても教えることがあります!
音楽の授業の器楽。何の楽器で指導するかは、「その学校にどんな楽器が用意されているか」で決まったりします。
うちはお琴があるから、和楽器はそれで指導してね。あとクラシックギターで器楽の評価してるわよ。
私は三味線が得意なのに…
アズコミュニケーションズなどの学校向け楽器レンタルサービスを使って自分の教えたい楽器で授業することも可能ですが、お金もかかるし手続きもちょっと大変です。
大体の先生は学校にある楽器で器楽指導をすることになりそう。
勤務校で指導しなければいけない楽器がわかっているなら、その楽器を練習しておくと良いと思います。
特に中学校は和楽器必修だよね…
箏や三味線ならカルチャー講座などでお安く体験することができるので、近くで教えてくれるところがないか探して楽器に触れておくといいと思います。
習いに行った先生が学校に教えに来てくれるなんてこともあるかも。
あとリコーダーはマストだね。小学校はソプラノ、中学校・高校はアルト。
音楽教員の準備4:常時活動を準備
常時活動とは毎回の授業で短時間行う活動のこと。
授業に毎回のルーティンネタを取り入れると、生徒には「これやればいいんだ」と安心感が生まれ、教員にとっても毎回同じネタなので楽に進められます。
「常時活動」を仕込むのはおすすめ。
考えられるルーティンはいろいろ考えられます。
- 発声練習
- 呼吸法や立ち方の指導
- 決まった曲を歌う
- 名曲紹介
自分が得意な分野で考えられると良いですが、「動物の曲鑑賞」や「リズムフラッシュカード」もおすすめです。
【楽しい!わかりやすい!】「動物の曲」鑑賞の音楽授業教材ネタ
【決定版】音が出るリズム学習フラッシュカード50問(ゲーム・遊び感覚でできる!)
常時活動については以下の記事で詳しく解説しています↓
【4月の音楽授業開き】まずは常時活動をつくろう!メリハリある授業のために(ネタあり)
準備5:授業で使いたい道具を準備
マストではないけど、持っておくと便利なものを紹介します。
音楽の授業で必要な教科書や楽譜、楽器や機器などは基本的には用意されています。
ただ学校にあるものが自分がやりたい授業に十分な性能のものか、使いやすいものか、は微妙と言わざるをえません。
また、音楽の授業でよく使う視聴覚機器などは校内で調整が必要な場合もあるので、手続きして借りるのが面倒だったりする場合もあります。
自前の道具使ってる先生も結構いるよね。
私も自前の道具はかなり持っていました。一日忙しいので借りる手続きしている暇があったら他のことをやりたいからです。
以下のようなものがあるととても便利です。
- iPad
- Bluetoothスピーカー
- 楽譜作成ソフト
iPad
iPadはいろんな事が一台でできるようになり、かなり便利。
授業に、公務に、プライベートでも使えてもう手放せないですね。
音楽意外の先生はiPad miniが持ち運びしやすくておすすめなのですが、音楽の先生にはA4サイズで楽譜も見やすい13インチのiPadが最適だと思っています。以下の記事で詳しく解説しています↓
【授業の準備が半分に!?】音楽教員がiPad Pro 12.9インチを使ったら便利すぎたという話
Bluetoothスピーカー
Bluetoothスピーカーはスマホやタブレットからすぐに音楽が流せるのでとても便利。iPadとの相性も良いです。
音楽教員は音質にもこだわった方がいいので、自分も使っているこちらがおすすめ。音が良くて高級感もありますよ。
以下の記事でBluetoothスピーカーについて詳しく解説しています↓
【便利グッズ】良音Bluetoothスピーカーで音楽授業のコスパを爆上げ
楽譜作成ソフト
楽譜って手書きじゃだめなのか?
わざわざ楽譜作成ソフトを買う必要なんてないと思っている先生もいると思いますが、長い目で見たら触っておいた方が良いと思います。
- プリントやテストの譜例がきれいに作成できる
- 合奏の楽譜はパート譜が簡単にできる
- 慣れれば手書きより速く楽譜が作れる
きれいな楽譜が慣れれば手書きの何倍も速く欠けるようになるのはもちろんですが、音楽教員は曲を書かなくてもプリントやテストの作成で、「譜例を作成する」ことは結構多いです。
楽譜作成ソフトを使えば、1分足らずでこのくらいの楽譜が綺麗に書けます。圧倒的に時短。
— コギト🎸音楽の授業研究家 (@COGITOmusic) October 18, 2020
合奏の編曲の時には大活躍です。
後から修正するのも、パート譜作るのも一発でできますのでもう手放せません。 pic.twitter.com/ZyPQO0sN12
手書きだと、プリントに譜例を書く欄を開けておき、五線を書いて、音符を書いて…、と面倒ですが、作成ソフトで作成すれば、できた譜例をスクショしてWordに挿入するだけ。
譜例が簡単につくれるようになるとプリントのわかりやすさも違ってくるよね。スライドにも挿入できるし。
また、音楽会などで合奏編曲をしたり、新曲アーティストの楽譜を起こして歌わせるような場合には、パート譜が簡単につくれる楽譜作成ソフトは必須です。
最初は操作になれないので、手書きよりも時間がかかりますが、慣れるまで是非諦めないでやってください。
慣れるまでの時間が簡単に取り返せるくらい楽になりますよ。
楽譜作成ソフトって結構種類あるけど…
昔はFinaleという楽譜作成ソフトをおすすめしていたのですが、今はサービス終了してしまい、自分はDoricoを使っています。
Sibeliusや他のソフトもいいのですが、楽譜の仕上がりがいまいちきれいではないです…
DoricoにはDoricoSEという無料版もあるので、是非今のうちに触ってみることをおすすめします。
【あると便利!】音楽教員が楽譜作成ソフトを使うメリット・デメリット
教員になる準備はお早めに!
4月からの初めての教員生活。
- 生徒対応
- 授業
- 学校運営や他の教員とのやりとり
- 行事
すべてのことが初めてで、初任の先生はハッキリ言って大変な一年かと思います。
できることは準備して、1年目を乗り切れるようにしておかなきゃね…
今回紹介した「来年から働き始める音楽の先生におすすめの準備」についておさらいしましょう。
- 採用校の音楽の授業の情報を集める
- 鉄板曲の弾き歌いの練習をする
- ワークショップ等で指導楽器にふれる
- 常時活動を準備
- 授業で使いたい道具を準備
個人的には読書もおすすめです。
音楽の先生でも大勢の生徒を相手に指導をしていくので、クラスの運営や指導法などの知識を持っておくことは大事。
教員として働き出してからはなかなか時間がとれないので、今のうちに読みたい本を読んでおくこと、知識をインプットしておくことをおすすめします。
活字を読むのが苦手な人には「聴く読書」という方法もありますよ。
聴くのが得意な音楽の先生は最適な読書法かもね。
↓オーディブルで聴ける「教育書」も紹介していますので是非ご覧ください!
今日は以上です!
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