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【わかりやすい!】ホルスト「惑星」の全曲を譜例付きで音楽教員が解説!

この記事では組曲「惑星」の各曲を譜例付きで紹介していきます。

コギト

自分が出している「惑星」の音楽授業用鑑賞教材から図解や譜例などを抜粋して、わかりやすく解説します!

組曲「惑星」といえば「木星」の中間部の旋律がとても有名です。

noteでダウンロードできる「惑星」鑑賞教材より

様々なアーティストがこの部分をカヴァーしているためあまりにも「木星」が有名ですが、それ以外の曲も全曲が名曲なのがこの組曲です。木星だけ聴くのはもったいないです。音楽の授業でも是非木星だけとは言わず全曲扱うと面白いです。

コギト

それぞれの曲のキャラが立っているので、曲当てクイズなんかにすると面白かったりします。

「惑星」鑑賞教材スライドから

↓以下から音楽授業用の組曲「惑星」の鑑賞教材がダウンロードできますので是非ご覧ください。

【小学校・特別支援用】ホルスト『惑星』の超絶おもしろい鑑賞教材!!
【中学校・高校音楽ネタ】ホルスト「惑星」の超絶わかりやすい鑑賞教材!!

ブログ運営者

コギト|音楽教材研究家

  • 音楽教員歴18年の元音楽教員
  • 教員辞めても教材研究が好きで続けている
  • 元作曲専攻で鑑賞創作の授業が得意
  • ピアノはコンクール全国大会入賞レベルでピアノ動画チャンネル(YouTube)も運営
  • ICTを駆使・時短マニア
  • note自作教材の販売をし、2500ダウンロードを突破!
  • 音楽や音楽教育に関することをX(Twitter)でも発信中
目次

「惑星」はどんな組曲?

「惑星」はイギリス生まれの作曲家グスターヴ・ホルストによって1914-1916年にかけて作曲されました。

ホルスト自身が占星術に興味を持っていたことから、惑星そのものではなく、惑星に割り当てられた神々をイメージして曲が作られています。

組曲「惑星」
  • 火星:戦争の神 マーズ(Mars)
  • 金星:平和の神 ヴィーナス(Venus)
  • 水星:翼のある使者 マーキュリー(Mercury)
  • 木星:快楽の神 ジュピター(Jupiter)
  • 土星:老いをもたらすもの サタン(Saturn)
  • 天王星:魔術師 ウラヌス(Uranus)
  • 海王星:神秘の神 ネプチューン(Neptune)

初演当時はあまりにもアバンギャルドな響きやリズムであったため、全曲演奏をあきらめたほどだったといいます。

また、ティンパニ6台、女性合唱まで必要とするなど編成が巨大なため、なかなか全曲演奏されず、火星や木星のみが演奏されるのが多いです(以下のツイートでベートーヴェン「運命」と楽器編成を比較しています)。

組曲「惑星」の各曲の解説

コギト

それではここから「惑星」の各曲を解説していきます!

①火星:戦争の神 マーズ(Mars)

組曲「惑星」の最初を飾るのは火星です。

いきなり弦楽器の特殊奏法である「コルレーニョ奏法」で始まります。

コルレーニョとはイタリア語で「木で」という意味で、弦楽器を演奏する弓の毛の部分ではなく、それを支える木の部分で弦を叩いて演奏する方法になります。(以下の動画がわかりやすいです)

雑音が入ってガチャガチャとして音色になり、兵士たちが歩く際の甲冑のカチャカチャ擦れる音を思い起こさせます。

また、この曲の拍子も特殊で、普段使われない5拍子になっています。

新米先生

そりゃまあ当時の人はおったまげただろうね…

このリズムがpp(ピアニッシモ)から始まってだんだんと盛り上がっていき、最後にはfff(フォルテッシッシモ)にまでなります。

コギト

軍隊が遠くから迫ってきているような効果があります。

また、テーマにも半音が多用されて不気味さを演出しているのもポイント。

最後は不協和音によるffff(フォルテッシッシッシモ)のしつこい強奏で曲を閉じます。あまりにこの和音がしつこいので敵をこれでもかとめった斬りしてトドメを刺しているように聴こえます。

「火星」を視聴する

②金星:平和の神 ヴィーナス(Venus)

金星は平和の神ヴィーナスが象徴とされています。

火星の戦争と真逆の性格を持った神であり、曲想も対照的です。組曲における1曲目と2曲目の大幅なコントラストがねらいだったと考えられます。

また、楽器編成においても1曲目の火星とは変化を持たせていて、勇ましい金管楽器が活躍した火星と対照的に金星の曲では木管楽器が主で音楽が進行します(金管楽器は登場しません)。

もっとも美しく感じられるのは中間のヴァイオリンのソロで、女神様の歌のようです。

「金星」を視聴する

③水星:翼のある使者 マーキュリー(Mercury)

水星は「翼のある使者」。あちこち自由に飛び回る躍動的な様子が、テンポの速いアルペジオで表現されています。

コギト

大空を飛んでいるような弦楽器の旋律も印象的ですね。

「水星」を視聴する

④木星:快楽の神 ジュピター(Jupiter)

木星は「快楽の神」。祝祭的な雰囲気のするこの組曲のハイライトです。

神話において、ジュピター(またはギリシャ神話のゼウス)はオリンポスの主神として、他の神々を束ね、祭りや慶事の神とも見なされていました。

彼の治世は、平和と繁栄がもたらされ、豊かな収穫や人々の幸福が約束される”黄金時代”と考えられていたこともあります。

ジュピターはまた、人々の生活に喜びと繁栄をもたらす象徴でもありました。

音楽の先生

それでこんな華やかな音楽になっているわけですね。

木星は冒頭からワクワクするような曲想で、今から収穫祭のような祭りが始まるような雰囲気が表現されています。

「惑星」7曲のうちの4曲目で組曲としても頂点をむかえる位置付けのこの曲には次々と旋律が移り変わっていき、まさに音楽的にも絢爛豪華です。

そしてこれ以外にもなんといっても有名な中間部の感動的な旋律があります。

教材として作成したので音名が入っています…
コギト

この曲で組曲終わってもいいくらいの充実した曲です。

「木星」を視聴する

⑤土星:老いをもたらすもの サタン(Saturn)

土星は「老いをもたらすもの」。あてがわれているのはサタンです。

教員

ホルストがこの組曲で一番好きだったのがこの曲だったってことだけど。

「老い」の表現として以下のような音楽的特徴が見て取れます。

  • しつこく繰り返されるフレーズ(フルート)
  • ノロノロ歩くような店舗(コントラバスのピッチカート)
  • 鈍い音色や低い音(トロンボーンやチューバ)
コギト

なぜホルストがこんな地味な曲を好きだったのかと最初疑問でしたが、最後は人生の夕暮れか何かを思い起こさせるしみじみした名曲だと自分も歳を重ねて感じるようになりました(ホルストがこの組曲を書いたのは40代です)。

「土星」を視聴する

⑥天王星:魔術師 ウラヌス(Uranus)

天王星は「魔術師」。ウラヌスという神が割り当てられています。

以下のようなリズムが特徴的です。

おや、このリズムと曲想はどこかで…と思われる方も多いと思いますが、デュカスの「魔法使いの弟子」(ディズニーの「ファンタジア」に出てくる曲)にすごくよく似ています。

「魔法使いの弟子」と「魔術師」とで同じリズムであるこれら二つ曲。どちらかが真似たのかと思って少し調べてみましたが、そのようなエピソードは確認できませんでした。

コギト

作曲年でいうと、「魔法使いの弟子」は1897年、惑星は1914-1916年ですから、真似たとすればホルストの方なんでしょうが…

ちょっと不思議な響きがする「全音音階」を旋律に取り入れているのもこの曲によくマッチしていますね。

ソ♭-ラ♭-シ♭-ド-レが全音音階になっています
「天王星」を視聴する

⑦海王星:神秘の神 ネプチューン(Neptune)

曲の最後は海王星。神秘の神ネプチューンです。

なんとこの曲にだけ女性合唱が登場します。

新米先生

演奏コスト考えたらやりたくない曲…

女性合唱はこの曲しか出番がないばかりか「遠くから聴こえてくる」効果を出すためにステージ裏で歌わされます。

楽譜にもホルスト自身によってこのような指示があります。

曲の冒頭。合唱パートに長い指示が書いてあります。

“コーラスは隣接する部屋に置かれ、そのドアは作品の最後の小節まで開いたままにされ、ゆっくりと静かに閉じられる”

曲の最後の小節は聴こえなくなるまで繰り返されます。

合唱の最後の小節に「*」がついていて欄外に指示があります。

この小節を、音が遠くの彼方に消えるまで繰り返す。

曲の起伏は少なく、最後まで抑制された、文字通り神秘的な曲となっています。

「海王星」を視聴する

ホルスト「惑星」は組曲の代表曲

音楽の先生

楽器の編成や凝った音楽作りを見るだけでもホルストの曲作りへの熱の入れようや野心がよく感じ取れますね!

組曲の各曲それぞれがキャラクターがはっきりしていて「次はどんな曲?」とワクワクしながら聴くことができる「惑星」は組曲の傑作と言っていいでしょう。

「惑星」の全曲を今まで聴いたことがなかったみなさんもこれを機に是非鑑賞してみてください。

コギト

組曲「惑星」を学校で教えることができる鑑賞教材がダウンロードできます!

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わかりやすく簡単に組曲「惑星」の鑑賞授業ができるダウンロード教材あります!

  • わかりやすい図解・音源入りのスライドデータ
  • スライド連動のワークシートもついてすぐに授業ができる!
  • 曲当てクイズで楽しく学習できる


授業のネタがこれでもかと詰め込まれ、この教材だけで授業できるセットになっています。

惑星を聴かせるなら「木星」だけではもったいない。キャラが立った「惑星」の各曲を聴かせることで飽きずに授業ができます!

以下のリンクから教員歴18年のベテラン音楽教員が10時間以上をかけて作り込んだ授業用教材が1クリックで手に入ります。

この教材は有料ですが、無料でネットに落ちている指導案やワークシートとはまったく別物。超作り込んだ教材です。教材は随時アップデートも行っているので、教科書が変わって古くなってしまうこともありません。スライド・ワークシート全て揃っているオールインワンの教材は他にはありませんよ。

↓中学校・高校用です。

授業準備がすぐ終わる!

↓小学校・特別支援学校用です。

楽しいクイズ付き!

今回は以上です!

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この記事を書いた人

音楽教師歴18年の元教員。鑑賞・創作・器楽合奏授業が得意。伴奏アレンジや合唱、合奏編曲もできます。国立大学の附属学校で研究主任&教育実習など経験あり。大好きな教材づくりで全国の音楽の先生の役に立ちたい。 自分の仕事を全部音楽関係にしたいから教員をやめて独立。ピアノ歴20年以上。アマチュアコンクールで全国入賞経験あり。ピアノアレンジ楽譜も作っています。

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