ムジクラスのコギトです!
今回はパガニーニの名曲「カプリス第24番」を解説していきます。
ヴァイオリン独奏の変奏曲ですね。最初のメロディ(テーマ)はどこかで聴いたことがあるのでは?
- パガニーニはヴァイオリニスト兼作曲家
- パガニーニの「カプリス」は自由な形式のヴァイオリン独奏曲
- 全24曲の「カプリス」の最後の曲「第24番」は変奏曲
耳をとらえる名旋律が圧倒的なヴァイオリンのテクニックによって次々と形を変えて現れるので遊園地のアトラクションか何かのように息つく暇なく聴き入ってしまう曲です。
この記事では「パガニーニっていつの時代のどんな人?」というところから「カプリス24番の各変奏の特徴」を楽譜付きで紹介しています。
では早速解説していきます。
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作曲家パガニーニを超ざっくり解説
パガニーニの生きた時代は上の表で確認してみましょう。
0E33B023-B314-4C42-85E5-430035BAC40B-e1597742294818.png” name=”コギト先生” type=”l”]ベートーヴェンとシューベルトの間、って感じですね。
パガニーニは作曲家兼ヴァイオリニストでヴァイオリンの腕は卓越していて、それこそロックスターのように当時の観客を熱狂させていたようですね。
下のようなエピソードも残っているほど。
- 5歳でヴァイオリンを始め、13歳で学ぶことがなくなったので自作の曲で練習
- 悪魔に魂を売り渡した引き換えに演奏技術を手に入れたという噂が立つ
青春時代には賭け事に熱中し、ナポレオン1世の妹との浮き名を流すなどの要するに「パリピ」だったパガニーニですが、病弱だったことでも知られています。
ヴァイオリンのために作った名旋律はその後の名だたる作曲家が曲に引用しています。
同時代に生きた作曲家からも絶賛の嵐だった模様。
カプリス?変奏曲?ってなあに?
カプリスとは
カプリス(Caprice)はフランス語です。イタリア語だとカプリッチョ(Capriccio)。
ピザの「カプリチョーザ」と意味は同じで「気まぐれ」という意味です。
よって音楽の「カプリス」とは「気まぐれ(自由)な形式で作られた曲」です。
気まぐれとは言ってもテキトーに作ったわけではなくて、ソナタ形式などの形式バリバリの曲よりもっといい意味で「規則に縛られない感じで自由に作りましたよ」という感じです。
俳句の「字余り」的な崩し方?かな。
パガニーニの「カプリス」は24曲作られています。
今日解説するのは最後の第24番です。
変奏曲とは
変奏曲は、16小節程度の比較的短めな旋律や音楽を、メロディや和音、拍・リズム、調・和音などの音楽の要素を変えながら繰り返していく、という音楽です。
今回の「カプリス第24番」も最初に演奏される有名なテーマ(主題)が形を変えて11回(11変奏まである)繰り返されるわけですね。
変奏曲について知りたい方は以下の記事も参考にご覧ください↓
【変奏曲】「ます」第四楽章を完全解説!(ピアノ五重奏曲/シューベルト)
カプリス第24番の解説
カプリスはテーマ(主題)の16小節が変奏されて11回繰り返され(第11変奏まである)、最後にfinale(最後のクライマックス)がつく、という曲の構成になっています。
基本的にはテーマの和音進行が保存されて、他の要素を変化させていくという変奏曲になっています。ギターとかでテーマのコードを弾いてみると、他の変奏でも同じコードで演奏できちゃうのでそれがよくわかります。
音楽の授業でもギターやウクレレでコード演奏してみましょう!
第1変奏
鋭い前打音で変奏を勢いよく始めています。 3連符でリズムの変化をだしながらアルペジオで広い音域を行ったり来たりする変奏です。
第2変奏
半音を蛇行するように動く音型で少しまとわりつくような印象のある変奏です。
第3変奏
オクターブの重音奏法が使われています。低音を使った重厚な変奏になっています。
第4変奏
第3変奏と対比的に高い音で軽やかに半音階を動く変奏です。
第5変奏
低音と高音が素早く交替する変奏で、2パートの2人で演奏しているような効果が出ています。
第6変奏
3度の音程の重音の連続にはじまり、後半には10度という広い音程の重音の連続になります。
第7変奏
速い3連符で駆け抜けるような変奏です。
第8変奏
今まで出てこなかった3つの音を重ねる重音奏法の変奏。テーマの和音進行よりも和音が細分化されていて変化が見られます。
第9変奏
左手によるピッチカート(楽譜の「pizz」の部分)と弓で引く(楽譜の「arco」の部分)が一音ごとに入れ替わるかなり難しい変奏です。是非動画を見てみてください。
第10変奏
ヴァイオリンならではの超高音で遠くから聞こえてくるような音色です。 今まで割と速いテンポで充実した変奏が続いてきた中フィナーレ前に少し落ち着いた曲想を挟むことで曲を引き締めている感じがあります。この変奏がないままに11変奏に行くと「勢いだけで乗り切る曲」のような構成になってしまいますので、フィナーレ前の箸休め、フィナーレを際立たせる効果を含んだ変奏です。
第11変奏
重音奏法と華麗に駆け上がるアルペジオの交替の変奏です。
フィナーレ
1小節目は第11変奏の終わりの小節でありかつフィナーレの始まりでもある小節で、11変奏から区切りなく演奏されます。同主調のイ長調に転調し、きらびやかに曲をしめくくります。
カプリス第24番はヴァイオリンの変奏曲の名曲
ところでこのテーマ、シンプルながら一度聴くと耳を離れない名旋律ですが、自分でも変奏作れるかも?とか思いませんか?(思うかよ)
音楽の授業でこのテーマをもとに「オリジナル変奏を作ろう!」とかできそうだな、と思っていくつか試しに作ってみました↓
やろうと思えば意外と簡単に作れちゃうものの、できたものをパガニーニのものと並べて聴いてみると「やっぱりパガニーニすげえなぁ」ってなります。
皆さんもちょっとやってみては?
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今回は以上です!
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