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「歌ってみた」動画、Xに上げるのはNG?【音楽授業で使える小話・アイスブレイク】

「歌ってみた」Xに上げたらアウト!?
コギト

好きな曲を歌って、その動画をSNSに投稿する「歌ってみた」。実は、投稿するとルール違反になってしまうSNSがあるんです。どこだと思いますか?

男子

TikTok! みんな勝手に曲を使ってるし、あやしい!

中学生

お金をもらわなければ、どこに上げてもいいんじゃないの?

生徒

えっ、歌うだけでダメなの? 鼻歌も?(笑)

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目次

同じ「歌ってみた」でも、OKとNGがある

曲には、作った人の権利である「著作権」があります。

人の曲を歌って、その動画をインターネットで公開するには、本来は曲を作った人の許可が必要です。

ところが、YouTubeやInstagram、TikTok、ニコニコ動画などは、曲の著作権を管理する団体「JASRAC(ジャスラック)」などと契約を結んでいます。

SNSの会社がまとめて使用料を払い、そのお金が曲を作った人に届く仕組みです。

そのため、こうしたSNSなら、自分で許可を取らなくても「歌ってみた」を投稿できます。

男子

TikTok、OKだったんだ……

一方、X(旧Twitter)は、2026年10月の時点で、JASRACと契約を結んでいません。

Xに「歌ってみた」を投稿するには、自分でJASRACに申し込んで、許可をもらう必要があります。

中学生

知らないで上げてる人、いっぱいいそう!

2026年4月には、JASRACが公式のXアカウントでこのことを呼びかけ、大きな話題になりました。

Xで「歌ってみた」を見てもらいたいときは、YouTubeに上げた動画のリンクを貼るのが安心です。

JASRACの職員さんが、「歌ってみた」「踊ってみた」の著作権の疑問に答えている動画です。

自分で歌っても、NGになることがある

とはいえ、契約のあるSNSなら何をしてもOK、というわけではありません。

気をつけたいのは、伴奏の音源です。

CDや配信の曲から歌だけを消して伴奏にしたり、カラオケの音源をそのまま流したり。

こうした音源には、曲を作った人とは別に、演奏した人や音源を作ったレコード会社の権利(著作隣接権)があります。

JASRACが預かっているのは、作詞・作曲の権利です。音源を使うには、レコード会社などの許可が別に必要になります。

生徒

じゃあ、自分でピアノを弾いて歌うなら?

コギト

それなら大丈夫。「歌ってみた」は、歌も伴奏も自分で、が基本です。

詳しいヤツ

歌詞を変える「替え歌」も要注意。JASRACは曲を変える許可は出せないから、作った人や音楽出版社に聞かないといけないんだ。

中学生

合唱コンクールで歌うのにも、許可がいるの?

コギト

お客さんからお金を取らず、歌う人もお金をもらわないなら、許可なしで演奏できます(著作権法38条)。ただし、その動画をネットに上げるときは、先ほどのルール通りになります。

曲が「みんなのもの」になるのはいつ?

著作権は、ずっと続くわけではありません。

日本では、曲を作った人が亡くなった翌年の1月1日から数えて70年で、著作権が切れます。

著作権が切れた曲は「パブリックドメイン」と呼ばれ、誰でも自由に使うことができます。

ベートーヴェンやモーツァルトの曲なら、自分で弾いた「弾いてみた」をXに上げても大丈夫です。

男子

70年って、長すぎない?

実はこの「70年」、もとは「50年」でした。2018年12月30日に、20年延びたのです。

ただし、延びたのはその時点で著作権が残っていた曲だけ。すでに切れていた曲の著作権が、復活することはありません。

例えば「赤とんぼ」。作曲の山田耕筰は1965年、作詞の三木露風は1964年に亡くなったので、50年のルールのうちに、どちらも著作権が切れています。

一方、「ぞうさん」は、作曲の團伊玖磨が2001年、作詞のまど・みちおが2014年に亡くなりました。歌詞の著作権は、2084年まで続きます。

生徒

「ぞうさん」のほうが、ずっと先まで守られてるんだ!

「赤とんぼ」の曲と詩は著作権が切れていますが、この合唱の編曲(信長貴富さん)には、編曲した人の権利があります。古い曲でも、楽譜によっては注意が必要です。
詳しいヤツ

「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」は、アメリカでは音楽出版社が著作権を主張して、長いあいだ使用料を集めていたんだ。2015年の裁判で「歌詞の著作権は無効」とされて、集めたお金のうち1400万ドル(約16億円)を返すことになったんだよ。

1962年、マリリン・モンローがケネディ大統領の誕生日に歌った「ハッピー・バースデー」。このころのアメリカでは、この歌にも著作権があるとされていました。

アメリカの映画やドラマでは、使用料を避けるために、誕生日の場面で別の歌が歌われることもありました。ちなみに日本では、2007年にこの歌の著作権が切れています。

SNSによってルールがちがう「歌ってみた」。そして、作った人が亡くなってから70年たつと「みんなのもの」になる曲。

著作権は、曲を作った人の暮らしと、次の曲を生み出す力を守るためのしくみです。

音のしない曲「4分33秒」にも著作権があって、作曲したケージが1992年に亡くなっているので、日本では2062年まで守られます。

音楽の教科書に載っている曲の作曲者を調べて、どの曲の著作権が切れているか、確かめてみてください。

音のしない曲のお話は、「音が鳴らない曲!?「4分33秒」」で紹介しています。

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「歌ってみた」Xに上げたらアウト!?

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この記事を書いた人

音楽教師歴18年の元教員。鑑賞・創作・器楽合奏授業が得意で、授業教材をnoteにアップしています。伴奏アレンジや合唱、合奏編曲もやってます。国立大学の附属学校で研究主任&教育実習など経験あり。大好きな教材づくりで全国の音楽の先生の役に立ちたい。 自分の仕事を全部音楽関係にしたいから教員をやめて独立。ピアノ歴20年以上。アマチュアコンクールで全国入賞経験あり。

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