この記事ではオペラ「トゥーランドット」の登場人物を人物相関図付きで紹介しています。
人物相関図はこんな感じです。
オペラトゥーランドットはプッチーニが作曲した最後のオペラ。音楽は最初から激烈で引き込まれるため、刺激的な映画に慣れた現代の若者でさえ圧倒されてしまうでしょう。
登場人物や関係性は比較的簡単ですので、この記事でアリアやシーンとともに押さえておけばオペラをより楽しめるようになります。
▼オペラトゥーランドットのあらすじについてはこちらで書いています。
オペラ・トゥーランドットのあらすじを元音楽教師がわかりやすく解説!
▼「トゥーランドット」を音楽授業で教えられる教材もダウンロードできます!
【中学校・高校音楽】オペラ鑑賞の授業教材ネタ『トゥーランドット』(ワークシート付き)
コギト | 音楽教材研究家
- 音楽教員歴18年の元音楽教員。辞めても教材研究が好きで続ける
- 元作曲専攻で鑑賞や創作の授業が得意、ICT・時短マニア
- ピアノはコンクール全国大会入賞レベルでピアノ動画チャンネル(YouTube)も運営
- ICTを駆使・時短マニアnoteで自作教材をアップ、3000ダウンロードを突破!
- 音楽教員のためのオンラインサークル「ムジクラブ」運営中
オペラ「トゥーランドット」の人物相関図と各キャラクターの関係
オペラトゥーランドットは昔の中国を舞台にした「ご当地オペラ」です。
舞台セットや衣装だけが中国的なだけでなく、音楽でも中国の音階を使ったり民謡を引用したりしています。
トゥーランドットとは中国の冷酷なお姫様です。過去の先祖が男性にひどい仕打ちを受けたことの復讐心で、いい寄ってくる男たちに謎かけをします。
答えられれば婚約するが、答えられなければ死刑にするという条件で挑戦した男たちは次々と死刑執行人のプーティンパオによって首を切られていきます。
トゥーランドットの国の大臣としてピン・ポン・パンというピエロ役の3人が登場します。話の筋には直接関係のない3人ですが、劇を脇で盛り上げます。
中国ではない異国の王であったティムールとその息子のカラフとティムールの召使のリューは、祖国を追われて離れ離れになっていましたが、トゥーランドットのいる中国で再会するところから物語が始まります。
オペラ「魔笛」の登場人物とそのアリア
王子カラフ
カラフ王子
異国の王子で身分を隠して中国に辿り着き、トゥーランドットに一目惚れし、命をかけてトゥーランドットの謎かけに挑む。
「誰も寝てはならぬ(Nessun Dorma)」
身分を隠したカラフの名前を当てられたらトゥーランドットが勝利することになり、トゥーランドットは国中に「この男の名前を突き止めるまでは誰も寝てはならぬ」と命令を出す。カラフはこの駆け引きに勝利することを宣言するアリア。
トゥーランドット
トゥーランドット
中国の絶世の美女。過去に男にひどい仕打ちを受けた先祖のため言い寄ってくる男に復讐をしている。結婚の条件として3つの謎かけをし、答えられなければ死刑。次々と切られた首が並んでいく。
「この城に幾千年もの昔」
トゥーランドットが男たちの首を次々と切らせている理由を告白するシーンのアリア。トゥーランドットの苦悩や恨みが音楽の美しさと混ざって官能的なほどになっています。
リュー
リュー
ティムール王の召使であり祖国を追われた惨めな王を献身的に支える。王子であるカラフに想いを寄せる。最後にはカラフのために自殺する。
「氷のような姫君の心も」
第3幕。トゥーランドットの命令で必死で王子の名前を知ろうとした国の群衆。それを知っているティムールとリューを力づくで名前を吐かせようとする。リューは自分が死ぬことで名前を漏らしてしまわないように決意するアリア。この後群衆から奪いとった短剣で自分を刺す。
ティムール王
ティムール王
カラフの父親で中国ではない異国の王。(原因はオペラでは触れられないが)祖国を追われてカラフとは離れ離れ。召使のリューと辿り着いた先が中国であった。
「頼む 後生だ」
第一幕。命をかけてトゥーランドットの謎かけに挑もうとするカラフを止めるシーン。ティムール王のアリアは特別にはないが、このシーンから後のカラフ・リュー・ティムール・ピン・ポン・パン・群衆が複雑に交わりながら渾然一体となって盛り上がっていく音楽は見もので以下の図解のように同じ音楽上でそれぞれの登場人物が全く違うセリフを言い合います。
ピン・ポン・パン
ピン・ポン・パン
トゥーランドットの国(中国)で使える大臣。道化役であり、重苦しい題材である話の隙間に軽い音楽的息抜きを挟むことに一役買っている。
「第2幕の冒頭」
ピンポンパンの3大臣が 次なる謎かけの犠牲者(カラフのこと)の葬式の準備の相談をしている場面です。 話は脱線していき、慣れっこになっていった今までの犠牲者を面白おかしく笑いあったり、3大臣それぞれの郷愁を歌ったりします。
ちなみに死刑執行人のプーティンパオは演技のみで歌なし。トゥーランドットの父である中国皇帝役はちょい役です。
トゥーランドットも実は悪い人ではない!
トゥーランドットの冷たい心を、血気盛んで暑い情熱をもったカラフが時ほぐして最終的に結ばれるストーリーのオペラです。トゥーランドットとは対照的な心温かな役のリューや、ピエロ役のピン・ポン・パンという脇役に彩られて、壮大な音楽とともに展開していきます。
このお話は勧善懲悪なお話ではなく、男を死刑にするトゥーランドットにもそれなりの理由があったり、リューの実らない片思いを切々と語るアリアがあったり、登場人物の心情が音楽によって感動的に色づけられています。
この記事から各シーンの登場人物の心情を考えながら聴いてみてくださいね。
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