この記事ではオペラ「魔笛」の登場人物とそのアリアについて紹介しています。
人物相関図はこんな感じです。
オペラ魔笛は1曲ずつが独立して展開されるナンバーオペラで、どのキャラクターにもそれぞれの名曲があり、アリアを聴くだけでも楽しめます。
アリアの動画と一緒に紹介しますので、これを機会に魔笛の登場人物について理解していってくださいね。
魔笛のあらすじについてはこちらで書いています。
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▶️【高校音楽】オペラ魔笛鑑賞授業(スライド・ワークシートあり)
▶️【よくばり音楽授業】パパゲーノとパパゲーナの二重唱鑑賞→創作→図工ネタ!
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コギト|音楽教材研究家
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オペラ「魔笛」の人物相関図と各キャラクターの関係
夜の女王はかつて自分の夫支配していた太陽の世界をザラストロが支配していることで恨みをもっています。
ザラストロは(良い行いをしない夜の女王の元に置いておけないという理由で?)夜の女王の娘パミーナを誘拐(保護)して閉じ込めているのでなおさらですね。
モノスタトスは最初はザラストロに仕えている奴隷頭のような身分ですが、物語が進むにつれ立場が悪くなり、ついには夜の女王側に寝返ります。
王子であるタミーノはザラストロや夜の女王とは関係ないところの出身であると考えられますが、大蛇にやられそうなところ、夜の女王の手下である侍女に助けられたことで、パミーナの存在を知って恋をします。
その最初の大蛇のシーンで偶然に出会ったパパゲーノとタミーノは王女パミーナ救出の旅に出る(夜の女王の指示で)ことになります。(最終的にタミーノとパミーナは結ばれます)
パパゲーノも「自分も女房が欲しい!」とことあるごとに言いますが、最終的にパパゲーナが現れてめでたしめでたしで結ばれます(パパゲーナは話の筋にはほとんど関わっていず、パパゲーノと結ばれる時にだけ出てきて二重唱を歌います)。
それぞれの登場人物の関係性を示すとこんな感じになります。あらすじは以下の記事で詳しく説明していますよ。
オペラ「魔笛」の登場人物とそのアリア
王子タミーノ
タミーノ
大蛇にやられそうになるという情けないオープニングを飾るエジプトの王子ですが、夜の女王一味に助けられ、そこに居合わせたパパゲーノとパミーナ救出の旅に出る。
徐々に正しいのはザラストロの方だと気づき、最後にはパミーナと結ばれる。
「なんと美しい絵姿」
3人の侍女に助けられたタミーノがパミーナの絵を見せられて一目で恋に落ちる時の旋律が美しいアリア
王女パミーナ
パミーナ
夜の女王の娘の王女。ザラストロに閉じ込められてはいるが、ザラストロが正しいことはわかっている。しかし母である夜の女王への愛情も捨てきれず二人の対立に悩む。神殿に潜り込んだパパゲーノにタミーノの存在を知らされ、恋に落ちる。
「ああ、私にはわかる、消え失せてしまったことが」
タミーノに会えたパミーナだったが、タミーノが「沈黙の試練」の最中だったため無視されてしまい、自分に対する愛情がなくなってしまったと勘違いして歌う悲壮感に溢れたアリア
夜の女王
夜の女王
感情的で高慢なキャラクター。もともとは昼の世界を支配していた夫がそれをザラストロに譲り渡したことでザラストロを恨んでいる。娘であるパミーナにザラストロを刺し殺せと命令する。
「恐れなくともよい」
物語の前半で初めて夜の女王が登場するシーン。悪者ザラストロに娘パミーナが奪われたことを嘆き、助け出してくれればタミーノにパミーナを授ける、と歌う前半と後半の対比が効果的なアリア
「復讐の心は地獄のように胸に燃え」
パミーナのもとに現れた夜の女王が短剣を差し出して「この剣でザラストロを刺し殺せ、それができなければお前はもう私の娘ではない」と告げる。器楽的なフレーズと高音域の限界を使った超絶技巧を披露するアリア
太陽の世界の支配者ザラストロ
ザラストロ
エジプトの高僧。パミーナを幽閉しているが、全ての状況をかんがみてのこと。私利を追い求めず公平な振る舞いをする。タミーノには叡智を得るための試練を課す。
「この聖なる神殿では」
ザラストロを刺し殺せと言われたパミーナが許しを請う。「全てわかっている。自分がどのように夜の女王に報いるのかわかってほしい」と説得する時の低音域を活かした威厳を感じるアリア
奴隷頭のモノスタトス
モノスタトス
ザラストロの元で奴隷の長のようなことをして働いている。パパゲーノに出会して驚いて逃げてしまったり、パミーナに言い寄ったり、最後には夜の女王に寝返ったりする、人間臭いキャラクター。
「誰でも恋の喜びを知っている」
寝ているパミーナを襲ってしまおうとしている時に「こんな私でもでも恋のひとつでもするさ、悪いことがあるものか」と歌う軽快でコミカルなアリア
鳥使いパパゲーノ
パパゲーノ
森の鳥使い。大蛇に襲われて気絶しているタミーノと出くわして、イヤイヤ一緒に旅をすることになる。ストーリーにいろどりを与えるピエロのような役回り。自分も女房が欲しいと最後にはパパゲーナと結ばれる
「俺は鳥刺し」
オペラ冒頭でタミーノが気絶しているところに現れるパパゲーノの自己紹介的なアリア。メルヘンチックで童謡のようにわかりやすい
オペラ魔笛は名キャラクターと名アリアの宝庫
オペラ魔笛は美しい旋律を歌う正統派のタミーノ・パミーナ・ザラストロから、感情的で激烈な旋律を超絶技巧で披露する夜の女王、親しみやすい旋律を歌うパパゲーノや、人間臭さあふれるモノスタトスなど、さまざまなキャラクターによる色とりどりのアリアが満載です。
そのような多彩さが、このオペラを飽きさせない魅力になっていることは間違いないでしょう。
魔笛のキャラクターやそのアリアについてより理解できれば幸いです。
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