

こんな風に思っている先生はぜひこの記事を読んでいってください!
私のプロフィールはこんな感じです。

音楽授業のネタや仕事術をブログやnote、Twitterで発信中です!
今回は以下のツイートを深堀りしていきます。
https://twitter.com/COGITOmusic/status/1398758075973046272?s=20
私が思う「鑑賞の授業でやってはいけないこと」は以下の4つ。
- 生徒の発言内容を否定する
- 生徒の発言内容を肯定する
- 先生の思っている正解に誘導する
- 曲の印象だけを発言させる

鑑賞の授業では、
生徒の感じたままの印象や感想を「正直に」表現させて、授業を深めていくことが重要です。
決して誘導尋問のようになってしまったり、せっかく正直に自分の意見を発表した生徒に対して「正解」「違う」などのコメントをつけてはいけません。
クラスで意見が出にくくなります。
生徒が「変なこと言ったらどうしよう」と思ってしまい、意見をいうことを戸惑ってしまうからです。
記事の最後には、私が使っている鑑賞のキラーワードと進め方のコツについても解説していますのでぜひ最後までご覧ください!
ではいきますっ。
Contents
音楽の鑑賞授業で先生がやってはいけないこと4つ

①生徒の発言内容を否定する
鑑賞の授業の場合生徒に曲を聴いて感じたことや考えたことを自由に発言させることが多いですが、
せっかく発言したことを「それは違うと思うよ」などと否定してしまうことはNGです。
例え明らかに的外れな発言をしていたとしても、
勇気を持って自分の意見を発言したことを尊重し、
「なるほど、そう思ったんですね」と受け入れましょう。

先生の気に入った発言だけ黒板に書くのではなく、全ての意見が等しく取り上げられていることが生徒にわかります。
そうしておくと、

と生徒がわかり、臆せずに積極的に発言をしてくれるようになってきます。
逆にこれが出来ていないと生徒は

と思ってしまい、自分の意見を自由に発言することが難しくなります。

どんな意見が出てきても「なるほど」とまずは受け入れるようにしましょう。
②生徒の発言内容を肯定する

発言内容を否定するのと同じく、むやみと肯定しまくるのもNGです。
先ほども述べたとおり、
先生の肯定や否定を通して、生徒たちは「何が先生に認められる正解なんだろう?」と
授業の中での正解を探すようになります。
それによって先生にとっては授業自体は進めやすくなるかもしれません。
ただし、発言の目的が「自分の感じたことを感じたままに」ではなく、
「先生の求めていることを答える」みたいなことになってしまい、
自由な発想や生徒の独自な考えを引き出すことはできません。

鑑賞の授業で曲の印象や感想を答えさせるときには、特に先生が発する
肯定や否定の言葉には常に注意し、生徒にどんな印象を与えているか気をつけながら授業を進めましょう。
- 「そうだよね」
- 「うーん…」
など暗に肯定や否定を含むような表現にも、細かいですが私は気をつけています。

③先生の思っている正解に誘導する
音楽の鑑賞の授業は曲を味わって聴くことはもちろんですが、
曲の成り立ちや特徴について掘り下げて学習したり、
曲の与える印象についていろいろな意見を聞いたりして、
表現の解釈について深めていく学習です。

数学のように1つの答えがあるのならそれに向かって全員の理解を揃えていけばいいわけですが、
音楽の授業の場合、答えが決まっていないもの(音楽表現)について考えるところが難しくて面白いところです。
いくら先生が鑑賞で取り上げる曲について強い思いや解釈を持っているにしても、
その曲の解釈の可能性は先生がもっているものだけには止まらないはずです。
生徒の印象や感覚を、先生が思っている解釈に強引に引き寄せるような態度は控えるべきです。
自分の解釈を伝えるにしても「この部分はこういうことを表現しているよ」と断言せずに「表現しているかもね」という推測で私は伝えています。

このような時は教師をしていてとっても嬉しい瞬間ですよね。
④曲の印象だけを発言させる
こんな風な授業展開していませんか。
- 教科書で作曲家の人物像や曲について学習
- 曲を通して聴く
- 曲から受けた印象や感想を記入
- 感想の発表&ワークシート提出
鑑賞の授業ではその曲で理解させたいことをはっきりと意識して授業を行うことが重要です。
教科書を読んで、曲を聴いて、ワークシート書かせて発表。それなら音楽の先生でなくてもできます。

「音という物理的なものを聞いたときに私たちがどんな印象をもつのか」を音楽の要素の側面から解説し、理解させましょう。

↓例としてはこんな感じでワークシートを作っています。
↑曲を聴いてなんの動物の曲かを当てさせるワークシート。「こんな音がしたから」という部分を考えさせる欄を作っています。
↑組曲「惑星」の各曲は神のキャラクターが表現されています。そのキャラクターを表すためにどんな音が使われているのかを書き込ませるワークシート。
このようにワークシートには「曲を聞いた印象や感想を記入する」欄はもちろん設けていますが、
「どんな音が鳴っていたか?」も必ず記入するようにしています。
音自体と印象とのつながりを意識させるためです。

まとめ 鑑賞の授業で生徒がいきいきと発言できるキラーワード3つ
最後に自分が使っている鑑賞の授業のキラーワードを3つ紹介します。
「なるほど!」
「他には?」
「どうしてそう思ったの?」
です。
生徒たちに広く感想を聞きたい場合は、答えに対して一つ一つ先生がコメントせず、
の流れでどんどん意見を出させていきます。
いくら変な答えが出てきても、「なるほど!はい、次の人!」である意味流せます。
逆に「その答えが欲しかった!」とこちらが思うような発言があっても、けっして「そうだよね!」とはいわず、
同じく「なるほど!ほかには?」で通します。

また、
- 「どうしてそう思ったの?」
- 「どこの部分でそう思ったの?」
もよく使います。
この質問に答えてもらうことで、突拍子のない発言にも「なるほど、そう考えてこう言ったのか」「曲のこの部分のことを言っているのか!」
と、生徒の思考の裏側というか根拠がわかります。
今回は「鑑賞の授業でやってはいけないこと」というタイトルで記事を書きました。
人それぞれに違う「音楽に対する感じ方」を否定もせず肯定もせず、ありのままに受け入れるような授業の雰囲気を紹介したような方法で作っておくと、
生徒も臆せず発言してくれますし、授業も活発になっていきます。

今回は以上です!
