コギト指揮者が持っている、あの細い棒。名前は知っていますか?
生徒指揮棒でしょ!
コギト正解。では、指揮棒がなかった昔の指揮者は、代わりに何を使っていたと思いますか?
男子槍! かっこいいから!
生徒え〜、つまようじとか?(笑)
昔の指揮者が使っていたものとは?
答えは「杖(つえ)」です。
男子杖!? おじいさんみたい(笑)
今のような細い指揮棒が使われるようになったのは、実は200年くらい前から。
それより前のバロック時代には、長くて重い杖を床にドン、ドンと打ちつけて、その音で拍を合わせていたと言われています。
中学生演奏中ずっとドンドン鳴ってたら、うるさくない?
コギトたしかに(笑)。なので、チェンバロ(鍵盤楽器)を弾きながら合図を出したり、ヴァイオリンの人が弓を振って合図を出したりすることも多かったんです。
ちなみに指揮棒のことを英語で「バトン」といいますが、もとになったフランス語の bâton は「杖・棒」という意味です。
指揮をしていて命を落とした作曲家・リュリ
この杖の指揮で、なんと命を落としてしまった作曲家がいます。
フランスの王様ルイ14世に仕えた作曲家、ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)です。
1687年、リュリは王様の病気が治ったお祝いの曲「テ・デウム」を指揮していました。
そのとき、勢いよく打ちつけた杖が自分の足に刺さってしまったのです。
傷はどんどん悪化して、医者は「足を切らないと命が危ない」とすすめました。
しかしダンサーとしても活躍していたリュリは「踊れなくなるのは嫌だ」と断ったと言われています。
そして、その年の3月に亡くなってしまいました。
生徒指揮しているうちに…命まで…
詳しいヤツリュリは王様と一緒にバレエを踊るくらいのダンサーだったんだよ。足を失うのは、それだけつらかったんだろうね。
コギトリュリが亡くなったのは、バッハとヘンデルが生まれた2年後のことです。
指揮棒が使われるようになるまで
その後、丸めた紙やヴァイオリンの弓で合図を出す時代をへて、1820年ごろからだんだんと今のような細い木の指揮棒が広まっていきました。
『真夏の夜の夢』の「結婚行進曲」で有名なメンデルスゾーンも、指揮棒を使い始めた先がけの一人です。
ロンドンで指揮棒を取り出したときには、客席から笑い声が起きたこともあったとか。
男子今は当たり前なのに、笑われてたんだ(笑)
- バロック時代:杖で床をたたく/鍵盤やヴァイオリンの弓で合図
- 1800年代のはじめ:丸めた紙や、細い指揮棒が登場
- 今:軽い指揮棒(木・グラスファイバーなど)。棒を持たず、手だけで指揮する人も
つまようじで指揮をする指揮者がいる!?
生徒さっき冗談で「つまようじ」って言ったけど、さすがにつまようじで指揮する人はいないよね?
コギトそれがいるんです。
ロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフは、つまようじくらいの小さな指揮棒で指揮することで有名です。「つまようじ指揮者」と呼ばれることもあります。
中学生小さすぎて見えない! 手をプルプルさせてるだけに見える!
ゲルギエフ本人は「手に何を持っているかは、まったく問題ではない」と話しているそうです。
コギト大事なのは、目や表情、心で伝えること。指揮棒はあくまで道具なんですね。
今でもマーチングバンドの先頭に立つドラムメジャーは、長い杖(メイス)を振って合図を出しています。昔の指揮者の姿に、ちょっと似ていますね。
次に指揮者を見るときは、手に何を持っているかにも注目してみてください。





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