聴かれないのが目的の曲なんてある?
今日の「授業で使えるアイスブレークになる小噺」はこちらです。
聴かれないように作った曲があることを知っていますか?
えー!音楽って聴くものだよね。
それってBGMのことじゃない?
そうなんです。今日紹介する曲は今お店やYouTubeで流れたりしているBGMの元祖と言われている曲なんです。
BGMは「バックグラウンドミュージック」と言って、レストランやお店、テレビなどで流れている音楽。
BGMは、食事をしたり・会話をしたり・劇を鑑賞したりする中で後ろに流れている後ろで流れていて、その場を盛り上げたり、気分を良くしたりするもの。別になくても構わない音楽とも言えますね。
エリック・サティの「家具の音楽」
で、BGMの元祖はエリック・サティという人が作った「家具の音楽」というものなんです。
どうしてサティは家具の音楽を思いついて作ったのでしょうか。
作曲したエリック・サティがレストランで友人とお話しながら食事をしていた時に、レストランにいたバンドがとても大きな音で演奏していたため、うるさくてレストランを飛び出してしまったことがありました。
そのころはもちろんCDもYouTubeもなくて音楽は生演奏で聴くのが主流でしたから「音楽はありがたく耳を澄ませて聴くもの」だったと思われます。
でもサティはこの経験から
- 周囲の騒音があってもいい音楽
- 聴く人の感情を無理に盛り上げない音楽
- 意識されずに快適に聴き流せる音楽
を作ろうと思ったのです。
この「家具の音楽」を初めて演奏するときに、サティは演奏される会場でこのように伝えました。
皆さまは音楽に気をとられず、あたかも音楽などは存在しないかのように、休憩時を過ごしていただきたいと思います。
この音楽は、個人的な会話とか、飾り絵とか、皆さまの中でかけておられる方もあれば、かけておられない方もあるロビーの椅子などと同じ程度の役割しか果たしていないのですから。
椅子と同じくらい気にされない音楽、ということで「家具の音楽」という名前なんですね。
大失敗?に終わった「家具の音楽」の初演
でもこの初めての演奏は失敗に終わりました。
なにも上手く演奏できなかったというわけではないんです。
この曲はコンサートの合間の休憩中に「聴かれない音楽」として演奏されることになっていましたが、プログラムにも「この曲は聴かないでください」と書いてあったにも関わらず、お客さんは熱心にその曲を聴きはじめてしまいました。
普通の音楽の演奏と変わりがないことになってしまったのです。
思い通りにならなかったサティは演奏中に怒って「おしゃべりを続けなさい!」と怒鳴り散らして猛烈な勢いで走りまわったけど効果がなかったんだって。おしまい。
へぇ〜。
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