音楽教員はオーディオとか楽器とか使うから準備・片付けが大変…
音楽の授業は以下のような点で運営が大変な教科と言えます。
- 音楽室に移動する手間
- 楽器を準備したりさせたりなどの手間
- オーディオやテレビなど視聴覚機器の手間
これに手間がかかって授業開始が5分遅れたり、片付けしてたらもう次の授業が迫っていたりしてしまいます。
指導以外の部分での授業運営を効率化したり時短したりすることはマスト。
「同じことするならなるべく楽に」というのは現役時代の私のモットーであり、仕事全般にも言える大原則かと思います。
苦労しなきゃ成功できないっていうのは古い考え方だもんな!(達観)
今年から先生になられた方や、自分の時間を効率的に使いたい先生は是非今回の記事を読み、なるべく楽に音楽授業を運営することをおすすめします。
そうすることで指導にかけられる時間や力も増えて教育の質もあがることでしょう!
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コギト | 音楽教材研究家
- 音楽教員歴18年の元音楽教員。辞めても教材研究が好きで続ける
- 元作曲専攻で鑑賞や創作の授業が得意、ICT・時短マニア
- ピアノはコンクール全国大会入賞レベルでピアノ動画チャンネル(YouTube)も運営
- ICTを駆使・時短マニアnoteで自作教材をアップ、3000ダウンロードを突破!
- 音楽教員のためのオンラインサークル「ムジクラブ」運営中
自分の手を極力動かさないように仕組み化する
音楽の授業は他の教科と比べて準備や片付けなどの手間が多い教科です。
そんな中、授業以外の「自分でなくてもできる仕事」はなるべく自分でやらないようにする(他の人にしてもらう)というのが一番効果的な方法です。
生徒ができることはすべて生徒にやってもらい、授業運営に参画させましょう。
そんなことすると生徒に悪いのでは…?
以下のようなことは生徒にやらせてはいけません。
- 個人情報がわかってしまうものの取り扱い
- 他の授業や日課に支障がある程の時間拘束
- 生徒を指導させること
逆にそれ以外であれば、生徒が行う活動である音楽授業の準備や片付けなどは「自分たちが行うこと」であるので、むしろできるだけやらせた方が自主性が高まるというもの(そして先生は楽)。
やらせた方が生き生きする生徒もいるので、そういう子を中心に巻き込んでいくといいですね。
音楽の授業運営を楽にするウラ技5つ
私がやっていたウラ技(といえる程でもない)は以下のようなものでした。
- 持ち物を固定しておく
- ものの指定席を決めてナンバリング
- 当番を決めて黒板消しや窓閉め、配付をさせる
- 常時活動は生徒に半分仕切らせる
- 教材準備などはアシスタントさんにお願いする・図工とドッキングする
持ち物を固定しておく
授業に持ってくる持ち物は以下のように決めて年度初めに「何があっても絶対持ってきなさい」と指示します。
- 教科書
- 筆記用具
- リコーダー
使わなくても絶対に持ってくるようにしておくのがポイント。
音楽室への移動を伴った音楽の授業では持ち物の連絡を忘れると大変。やりたかった授業ができずに後回しになったりもします。
最近は鑑賞やってたんでリコーダーはいらないと思っていました!
など勝手に判断する生徒もいたりします(やめてくれ)。
こういう事があるとその日の授業がどんどんグチャついてきます。
またリコーダーを使う予定でなかったとしても急に予定が変わったり、パッと思いついて使いたい場面があったりする場合もあります。
こういう感じで持ち物関係トラブルを最小限にするために「持ち物を固定化」しておくのです。
確かに、固定化しておけば、その他の追加の持ち物がある時だけ連絡すればいいもんね。
毎回の授業で「リコーダーはいる」「リコーダーはいらない」などと指示を出すのは面倒なので止めましょう。
次の音楽の授業はリコーダーいるのー?
などいちいち質問してくる生徒もいますが、「どういう決まりだっけ?」と決まりに従うように促すようにしてルールを徹底させます。
貸出楽器の指定席を決めてナンバリング
貸出用の楽器(ギターや箏など)は、しっかり指定席を作ると準備・片付けが楽になります。
10台楽器があるとしたら、それぞれに「1,2、3」とシールを貼っておくなどしてナンバリングし、それに対応した棚の置き場所にも番号を貼っておきます。
1番のギターには1番の場所に置く、みたいな感じですね。
このような運用にすると、生徒が片付ける時に雑になることも少ないですし、「○番のギターがない」とすぐにわかったりしますので管理が楽になります。
器楽の初回授業前に貸出楽器を整備しておき、器楽の授業の最初にルールを生徒に伝えられるようにしておきましょう。
楽器に貼ったナンバーが必ず見えるようにしまうことや、ケースへのしまいかたなど、自分が後からなるべく手間がないような方法で管理させるのが大事です。
最初の数回は厳しく見張って伝えたことを定着させるのがミソ。先生のチェックや手入れがなくなるくらいまで徹底させます。定着すれば楽になります。
音楽の係がいるなら、その子に管理の管理をやらせて、チェックをさせて報告に来させる、というのも一案ですね。
当番を決めて黒板消しや窓閉め、配付をさせる
授業が終わったら黒板を消したり、昼休み前や一日の最後の授業では窓を閉める必要があります。これも音楽の先生でなければできないことではありませんので生徒にやらせるようにします。
授業したクラスの日直は授業後必ず黒板と窓閉めをする、というルールにしておくと、これが自動になります。
毎回指示しなくてもいいように仕組み化しておくのが大事…。
日直だと忘れ安いので音楽係をつくってもいいかと思います。
常時活動は生徒に仕切らせる
例えば授業の最初は「今月の鑑賞曲」や「今月の歌」を歌うことになっていたとします(常時活動といいます)。
その場合、指導は生徒にはできませんが、それに関わってラジカセを出すとか、歌詞カードを配るなどの準備を生徒が自分たちでできるようにしておく環境にしておくと楽になります。
その間に先生は自分の授業準備できるもんね。
授業の最初の何分かは合唱のパート練習をする、という場合もあると思います。その場合はパートリーダーを決めて、パート練習や発声練習を仕切らせるのもありですね。
私の中学時代、そうだったかも…
↓常時活動については以下の記事を参考にしてください
【音楽授業のコツ】常時活動をつくれば楽しい授業ができる!
教材準備はアシスタントさんにお願いする
ワークシートを印刷したり、「楽器をつくろう!」などのような単元の場合は教材を自作・準備したりする必要があります。
最近は業務サポーターさんという存在がいる学校も増えていると思うので、プリントの印刷やクラスごとの仕分けなど、できることはお願いするのが良いです。
自分も業務サポーターさんにかなり仕事をお願いしていましたので、その依頼すら半自動化していました。
1学年分の鑑賞授業のプリントが出来上がったら「1組は○枚、2組は○枚」みたいにプリントを印刷、仕分けしてもらいますが、その指示をサポーターさんに口頭でせずに紙に書いておき、仕事が終わったらその指示書も返してもらうようにします。
そうすれば2回目からはその紙と出来上がったプリント1枚をサポーターさんに渡すだけ。「前と同じ感じでお願いしまーす」というだけでプリントが全クラス分出来上がってくる、というわけです。
「予備を何枚」「指導用に1枚」「穴を開けて下さい」なども全部指示書に書いておけばやってもらえます。
業務サポーター様さまですね。
いない学校は…、ホントお疲れ様です
まとめ 「指示がなくても毎回自動で」を作っていく
毎回自分が指示を出さないとやらないシステムだと、忘れちゃったらおしまい…。
片付けや椅子を入れるなどの行動は毎回自分が指示を出す感じだと、指示を忘れた時に全部自分でやらなければいけなくなり大変になります。
そういうことがないように、授業で毎回行う行動とセットにして組み込んでしまうのがおすすめです。
たとえば授業終わりにイスを机に入れて整頓させてから帰らせたいのであれば、最後の挨拶のときの号令を以下のように決めます。
起立・イスを整頓してください(終わるまで待つ)・気をつけ・礼
毎回必ず行われる「号令」に「イスの整頓」をセットで組み込んでしまうワザです。
これなら自分が指示忘れるというエラーもなくなる。
以上紹介してきた授業を楽にするワザは最初仕込むまでが大変だったりしますが、だんだん楽になってきて、2学期くらいからは格段に楽になって効果を実感するはず。
休み時間などに時間の余裕ができるようになるので是非やってみてくださいね!
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今回は以上です!
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