自分の作成した音楽の授業のコロナ対策が会議を通過し、
歌も、リコーダーも鍵盤ハーモニカも、合奏も解禁になりました。

コロナ禍で行う授業での対策については、まだ本当の正解が見えないところ。

と音楽教員のみなさんは思うかもしれませんが、
教頭も、校長も、そして文科省も多分気持ちは同じ。

と思っているはず。
そして想像するに、
「音楽は普通にやっていいよ」という許可が一律にどこかから下りてくるのを待っていても
多分どこからも下りてきません。
コロナの状況は地域によって違うからです。
ただ待っているだけでは、
1年間ずっと、鑑賞の授業ばっかり
になってしまうかも。

こんな生徒の声が聞こえてきそうです。
ここは勇気を持って、自分から音楽の授業のコロナ対策を打ち出してはいかがでしょうか?
というのが今日の提案です。


音楽の授業で歌や器楽ができるようにするコロナ対策を取り決めるための、
押さえておくポイントは以下となります。
- 客観的な事実や文科省のガイドラインに沿って根拠ある対策を作る
- 周囲の学校の情報を集める
- 管理職と確認、会議で確認をしてから実施

Contents
①客観的な事実や文科省のガイドラインに沿って根拠ある対策を作る

ガイドラインではどのように書かれているかを提示
音楽の授業に関係する、文科省のガイドライン
「学校における新型コロナウイルス感染症 に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~ (2020.9.3 Ver.4)」
での記述(2020/09/03)をまとめるとこのようになります。
文科省のガイドライン内の記述 | |
歌唱 | ・「室内で児童生徒が近距離で行う合唱」は感染リスクの高い活動である(46ページ) |
リコーダーや鍵盤ハーモニカ等(吹くもの) | ・「リコーダーや鍵盤 ハーモニカ等の管楽器演奏」は感染リスクの高い活動である(46ページ) |
共用で手に触れる楽器 | ・器具や用具を共用で使用する場合は、使用前後の手洗いを行わせるこ と(47ページ) |

いえいえ、感染リスクの高い合唱や鍵盤ハーモニカ、リコーダーも条件によって実施して良いという記述があります。
↓感染状況(地域の状況に鑑みて学校長が判断する)のレベルが1、2、3とあり、
↑ガイドライン14ページ
↓感染リスクの高い教科活動、すなわち「合唱」「リコーダーや鍵盤ハーモニカ」も地域の感染レベルによっては実施して良い事になっています(赤で囲った部分が音楽の授業に該当)
↑ガイドライン14ページ


まずは自分の学校の地域感染レベルや、学校で決めているレベルについて確認をしてみましょう。
(ちなみに私の学校は「決めてない」と言われました…)
その上で、

文科省のガイドラインには歌もリコーダーも感染対策すればやっていいって書いてありますよ〜
とガイドラインの該当する部分を見せながら説明すれば、納得してもらえそうです。
適切な感染対策を示す
合唱もリコーダーも鍵盤ハーモニカも感染リスクの高い活動ではあるので、
ガイドラインには
「適切な感染対策を行った上で実施」と書かれています。

私が自分の学校に提示した音楽の授業で取りうる対策をまとめると以下のようになります。
(自分の学校では学校の感染レベルが定まっていなかったので、「レベル1」にも「レベル2」にも対応するような形にしています)
授業で取りうる対策 | |
歌唱 | ・マスクをする ・換気をする ・距離を保って歌う・向かい合わない |
リコーダーや鍵盤ハーモニカ等(吹くもの) | ・共用はしない ・距離を十分に保って演奏・向かい合わない ・換気する ・短時間で休憩を取る |
共用で手に触れる楽器 | ・マスクをする ・楽器を触れる前と後に必ず手洗いや消毒をする |
以下の記事に詳しくまとめてありますので、参考にご覧ください。
②周囲の学校の情報を集める


これは、実施に向けての心理的ハードルを下げるテクニック的な方法になります。
人間の心理としては、周りの学校が一切歌の授業をやっていないのに、

という英断はなかなかしにくいもの。
近くの学校で音楽の授業を再開しているところの情報を集めて、

という情報を伝えると、

と提案が通る可能性が高まりそうです。
また近くの学校とつながっておくと、感染対策やその他の情報についてもいろいろ教えてもらえるかもしれません。
自分の学校がOKになったら、OKになったことや、感染対策をシェアしてあげると親切ですね。
③管理職と確認、会議で確認をしてから実施

「学校で決めた事」にする重要性
ここまできたら、あとは提案を書類にまとめて(明文化しておく事は必要)会議等にかけて通過させましょう。

対策を一人で決めて行動に移した場合、
万が一、何か問題が起こった時(感染者が発生した時など)自分の責任として問われる事になってしまうかもしれません。
もし、「あなたが感染対策を決めて行ってください」と言われたとしても、

となるべく書面で確認を取るようにしておきましょう。
そうすれば、例え何かあった時でも自分だけの責任には問われないはずです。
もし反論されたら
音楽の授業の再開について会議等で反論されることもあるかもしれません。

今まで見てきたような論拠をあげれば、「それでも音楽の授業は行わない」という判断になる可能性は低いと私は考えますが、
中には「とにかく少しでも心配な事はしない」とか「事なかれ主義」な考え方の上司もいるかもしれません。
そんな人の「やめといたら?」という意見に出くわした時は、
- ガイドラインによると、学校の判断でやってもいいこと(説明)
- 何がOKになればやってもいいのか、聞き取る(妥協案を探る)
この2点を確認すると良いです。
ガイドラインをよく読んでみると、
- 学校での感染レベルが1、2の場合は基本的に感染対策を考えた上で実施して良い
- 学校での感染レベルは学校長が判断して決める事になっている
- という事は、やるかやらないかは基本的には学校で判断すること
このような論理になります。
これを説明した上で、

などと校長に質問してみるのも手です。
また、

と会議の場で質問してみるのも一つです。
この答えによって、どうすればこの学校では実施可能なのか、実施するかどうか決める側の人の答えが聞けるからです。

まとめ

音楽の授業の再開をまだしていない学校は、「音楽の授業用のガイドライン」を早めに作成してしまうのが得策です。
ポイントをおさらいしましょう。
- 客観的な事実や文科省のガイドラインに沿って根拠ある対策を作る
- 周囲の学校の情報を集める
- 管理職と確認、会議で確認をしてから実施
学校の音楽の授業のガイドラインの作成、職員会議での提案、と考えると、

と思ってしまいますが、
むしろ、このまま歌も合奏もままならないまま音楽の授業を続ける事の方が大変ではないですか?
実際、私の学校の話ですが、
音楽のガイドラインの作成をした結果、楽器の共用は使用前後の消毒手洗いさえしていればOKとなりましたが、
体育のガイドラインは作成していないので、授業で使ったバスケットボールなどの道具は今でも教員が終わった後にアルコール消毒しています。(結構大変そう)
いやいや、同じ学校なんだから、と思うかもしれませんが、思考停止しているとこのような事が平気で起こってしまうという一例かと思います。

参考になれば幸いです!
